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グラシア・ブラザーズ・ライフ♪ #_old

2008年05月27日 21:53

#_old
雨が降って来た。枯れ果てた木に囲まれた森の中で、俯いたまま直立不動で、ある物を見詰める私の視界の地面が、少しずつ雨に侵食されて行く。ぽつりぽつりと小さな音で自己主張を数秒繰り返していた雨がやがて、その場の全てを支配する程の轟音と化すのに然程時間は掛からなかった。

横殴りの冷たい強風を伴うそれは、容赦なく立ち尽くす私に降り注ぐ。晒された肌に突き刺さるような痛みを覚える程強い雨。不思議と体を雨から守ろう等と言う類の事に頭が回らなかった。いや違うな。私はきっと痛みを求めているのだ…。

髪が濡れる。服が濡れる。下着が濡れる。靴が濡れる。体温が奪われる。そして…

(…遅い…よ)

数時間続けた姿勢を崩し、力ない瞳で空を覆う雨雲を見上げる。見える限り永遠と続く雨雲から、目に刺さる様に降り注ぐ雨を見て………………腹が立った。

「なんで…もっと早く…」

絞り出す様に呟かれた声は、ガラガラに擦れ、濁っていた。当然だ。約一週間ぶりに発せられた声が透き通っている等あるものか。                            
そして無意識で紡がれた自分のその声を聞き、再び俯き視線をある物に戻す。

目の前に無機質に存在する身の丈の半分程の寂れたドラム缶に…。
その中に詰め込まれた、よく分らない炭化された黒い塊に…。

(黒い……塊…。)

そう、人間の視覚認識的に、そういう物に化してしまったのだ…。私のようやく手にした大切な物は…。叶えて貰った小さな願いは…全部…全部…

(…燃えちゃったんだ…)

そう認識した瞬間…強制的に抑制していた感情が…爆発した。

「……っ!遅いよっ!!…なんで……どうしてもっと早く降ってくれなかったのぉ!?燃えちゃったよ!全部燃えちゃったよぉおお!!思い出も!温もりも!プレゼントも!みんな燃えて無くなっちゃったよぉ!」

空の雨雲に向かって叫びを上げる。本当ならば、それは許されない行為。あの法案が成立、受理された今となっては、これは立派な違法行為だ。執務官を志す者として、それだけは犯してはない絶対なる領域。だけどその領域に足を踏み出す私を、私は止める事など出来なかった。一度決壊した抑制と言う名のダムはそう簡単に元には戻らないのだ…。

「名前を呼んでくれて嬉しかったぁ!!家族だって、抱きしめてくれて嬉しかったぁ!!一緒に写真取ってくれて嬉しかったぁ!!間違った私を叱ってくれて嬉しかったぁ!!」

目頭が熱い。連日、痛みを伴うほど泣き叫びんだと言うのにまだ涙が出るのか?と心のどこかで感心する。そして、同時に嫌悪も感じていた。自分はなんと身勝手なのだろうと…。これはもう人に聞かれてはいけないことなのに…私だけじゃない…親友の二人だって同じ気持ちの筈なのに……御免なさい。こんな弱い私で御免なさい。

「好きでした…大好きでしたぁ!!不器用な貴方が!優しい貴方が!厳しい貴方が!心の底から大好きでしたぁ!!そんな貴方を私は…!私はぁあ!!」

だからお願いです。弱い私のお願いです。この世にある全ての存在よ…今だけ…この瞬間だけいいから…。

「私は貴方を…クロノを殺してしまいましたあぁああ!!!」

お願いです…耳を…塞いで下さい。
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