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グラシア・ブラザーズ・ライフ♪ #9

2008年05月27日 21:58

#9
この瞬間より、僕の脳内のどこかで、【ティン】っと、実に安っぽい効果音を立てて【食堂 = 戦場】の方程式の成り立ちが新たに証明された。そして、【戦場】という単語からイメージされる光景…

【黒い瘴気と火薬の匂いが充満する焼けた野原を、白いゴスロリ服を華麗に着こなした1人の少女が【うふふっ~あはは~】と、夢の住人でしかしないような笑い声と共に、「ティスのライフはもう0よ~♪」…と、その場に似合わない満面の笑みで、叫びながら焼け野原を駆け抜けている】

…そんな、医者にばれたら、精神病棟へ叩き込まれる様な光景が疲弊した頭でリフレインを繰り返している…。

故に、背後から聞こえる【ちゅど~ん♪】だか【どか~ん♪】の存在は我が全身全霊を持ってして無視…疲れるだけだから。

(まったく…昨今の幼児向けのヒーロー番組の爆発だってここまで激しくないぞ…)

きっとコレをヒーロー番組等で放送したら半数以上の少年少女の心に、耐え難いトラウマを植付け、即放送禁止の烙印を押されてしまうであろう…知ってるであろうか?代理石の柱は背後で騒ぎたてている【非常識な物体】のビームを受けると数秒と持たず水飴の様に溶けてしまうんだぞ?

…だがしかし、その一方で、危険ランク最高峰の爆音の中で動き回る【非常識な物体】の妙にファンシーな外見は、どちらかと言えば幼児向けなのではないだろうか?世の中ままならない物だな。

「ティス坊―!あがったよぉ~!ほらっ!いつまでも、んなとこ寝そべってないでどきなっ!お皿置けないだろう!?」
「おわ…っと、どうも…有難う御座います。…サラバさん。」
「あいよ~!左から鮭、梅、肉じゃが。米がいっぱい残ってからねぇ~大きめに握っといたから、残すんじゃないよぅ!残したら…そうさねぇ~…好奇心旺盛な50代ババア軍団の中に半裸で放り込むかねぇ?」
「の…残すわけないで御座いますです!サー!!」

食堂の料理場と給仕エリアを隔てるカウンターに頬を「べだっ」っとつけ、うな垂れていた僕に、【ふくよかな体に割烹着服が良く似合う食堂おばちゃん】…サラバさんがおにぎりを握ってくれた。それにしても、僕がカウンターへ到着、注文してから1分も経過していない…。これが極修羅場と呼ばれる昼食時の大型食堂を切り盛りするおばちゃんパワーだろうか?…恐るべし…。

(…にしても…だ…最後のは…どう反応すればいいんだろう…。)

確かに給仕のおばちゃんとしての腕は確かなのだが、この人には玉の傷でコレがある。
以前の昼食時、白米のおかずを要求して出てきたのが、何故か【炒飯】という異例の事態を愕然とし、正気に戻って直ぐ断固抗議したのだが…

「米に米をあわせて何が悪いんだ、あぁあん!?【カレーは飲み物です】って言ってみろグォラァ!!」

(……逆に怒られたからなぁ…。)

料理には自らの欲求に忠実なこのお人のことだ…きっとコレも冗談ではなく本気なんだろう…。ここは余り気にせず美味しく頂こう…。…無駄な抵抗だし…。それに極秘事項ではあるが偏食なんて物は、幼少の頃から散々な思いをさせられて来たので、この程度ならまだ我慢できる…。これでおにぎりの具に【角砂糖】とか入ってたら先ず間違いなく発狂するけどな?

「…それはそれとして、なぁ…ティス坊?あたしゃぁ、作る分には全く問題ないんだけどねぇ…あっちはいいのかい…?」
「あぁ~いいんです、いいんです…気にしたら負けです…。それにきっと食べられる物は残らないと思うし…。それに…まぁ、大丈夫ですよ…彼等は、あれはあれで楽しんでるんですから…。」
「はぁ~やっぱカリム嬢ちゃんがつれてくる子達は随分とぶっ飛んでるねぇ~。」
「…それ…僕は入ってないですよね?」

がははっと大口開けて豪快に笑い出すサラバさん。
そんな彼女の屋敷柱相当であろうと推測される神経の図太さに、多大な感謝と些細な願望を込めて乾いた笑みを返した。

そして、カウンターに置かれたおにぎりをぱく付き始めた僕の後ろでひときわデカイ爆発音と悲鳴が響き渡る…いやぁ…実に平和だ…。

「とにかくなんでもいいから全員退避ぃ!逃げながらでいいから聞けぇ!!自警団員っ!確か第二ウイング中隊が丸々居たろうっ!!自警団員は避難民の誘導を最優先っ!同時に机を盾に一次バリケードの作成、フルスピードいそげぇ!それと、フロントラインの2馬鹿っ!あの巨大狸とペンギン大王に対抗心燃やして、攻撃しようなんて思うなよ!いいか、絶対だっ!!絶対だぞ!!…というかそこで他人の振りしてる傍観者!お前が連れてきた客だろうがぁ!!なんとかしろぉ!!」

「聞こえない~聞こえない~。なーんにも聞こえない。あぁ…鮭、凄い美味い。」
「ふっ…ほっ…ねぇラチカ。【ふろんとらいん】ってなに?この前貰ったような称号みたい物?」
「う~ん、そですね~?いろいろな意味合いでも取れるんですが…今回のこの状況から察するに【フロントライン】…つまり【最前線】ってことですかね?まぁぶっちゃけ【一番の危険地帯】って言えば分かります?…ととっ…シールド出力20%低下…へぇ~驚きですね~この砲撃、魔力ランクに換算するとAAは軽く行きますよ?」

(ついでに捕捉すると、【2馬鹿】ってのは、アンタとラチカの事よ…このデンジャラスバァカ共!?ただ面白そうだからって理由で、無差別攻撃の最中、一番近い所で永遠と回避行動繰り返してまで傍観決め込んでる愚か者…)
「黙れ。今度は納豆のみじん切りに使うよ?」
(…あい。)

「監理室っ!モニタしてるだろう!?至急増援を…なにぃ!?モニタがジャックされて怪獣キャットバトル映画が流れてるだぁ!?ボケナスっそれが現実だ、現実!今尚、巨大狸とペンギン大王が食堂で光線出し合ってるんだよ!あぁそうだっ!その酒樽振り回す狸も偉そうに煙草吹かすペンギンも現実だ!おい…応答しろ!管理室!管理室っ!!くそっ!このマーガリンバター野朗がぁ!!」
「あれっ!?…意外と【肉じゃが】ウマっ!」
「誰でもいい!誰があの、平気な顔で飯ぱく付いてる傍若無人野朗を、俺の前にひざまづかせろぉ~!!そうだ角砂糖だっ!角砂糖を持てぇい!!」
「冗談でもやめろよ!!」

突如、八神さんが調理した鍋からあふれ出すオーラの様な物が巨大な狸を形取り、その狸が謎の歌を歌いながら口から怪光線を発しようが…

その向かい側の料理長のフライパンから同様にあふれ出たオーラが冠を被ったペンギンを形取り、狸に対抗するように、【ワイルドタバコ】と呼ばれる箱を冠から取り出し、気だるそうにその中身の巨大煙草を吹かせ、『…もののついでだ』…みたいな態度で、目からビームを発しようが…

目の前に料理対決なんかよりリアル怪獣大決戦に興味がシフトしたデンジャラスバカ共が怪獣の真近で漫才しながら器用に光線を回避してようが…僕にはなにも聞こえない…。最近このフレーズが多いなぁ…。もう一度言おう…

(僕にはなにも聞こえない…!)

今度履歴書の特技欄に【現実逃避】と書くことにしよう。履歴書なんて此処数年一度たりと書いたことなんてないけどな。書くような経歴全部吹き飛んだけどな。

「…んっ?ポン太とペン太が、なんか語り始めたよ?ラチカ…。」
「そのネーミングセンスは…あっ…いえいえ…なんでもありません…というか人語で淡々と語り合う狸とペンギンって絵的にどうなんでしょう?」

どうやら両者共に、ただ光線を打ち出すだけに疲れたのかは定かではないが、無差別光線射出を止めた様だ。今は互いに向かい合い、何か会話をしている。一次停戦が執行されたのか、先程までの険悪ムードが嘘のようだ…。

…にしてもなんて品の無い狸とペンギンだろう…。

『この間さ…寝ぼけ眼で髭の手入れしたらさ…右の三本ヒゲ、全部そり落としちまってさ…あぁ…こんな世界壊れちまえばいいのに…んぐんぐっ…ぷはぁ…』
『ヴァ~…最悪…マジ最悪…あえて言うならプチ最悪…ヒトデ?…いや、私ペンギンですから…。』

それとお前等…本当に人語完璧だな…というかなんでそんなに鬱はいってるんだ?アニメ視聴しかやる事がない自宅警備員の成れの果てのようだぞ?

『んでさぁ…折角買ってきた【ツンデレジュース】(レモン果汁70パーセント)。苦労して苦労してやっっっとシークレット空き缶まで集めたのに…【えっ?あの空き缶ただのゴミでしょ?】…とか言って、かあちゃん…全部捨てちまったんだ…。泣いたね…取り合えず枕の総重量が倍になる程涙で濡らしたね…。』
『あぁ…そりゃ痛いな…。何が痛いって、そのジュースの中身を酒樽に入れて携帯しているお前が一番痛い。酒樽背中に背負う狸なんて初めて見たぞおい?しかも、飲み方が酒樽に巨大ストローってお前どんだけ非常識なんだよ?ぷはぁ~…あぁ…9mmちっと重いなぁ…。』
『あと、下手な、なぞなぞ問題で【たぬき】だから【た】を抜く…とかいうの在るじゃない?あれってぶっちゃけ、狸に喧嘩売ってると思うんだけど、そこんとこ、どうよ?狸にだって人権があったっていいだろ?』
『ペンギンの話聴けよ…狸なんだから人権などあってたまるか、ボケっ!…狸は狸らしく、ある局部をブラブラさせてやがれ…あぁ…ペンギン祭りやりてぇなぁ~。』

誰かあのおかしな不可思議物体黙らせろ…。

「なぁ…ティス坊…」

そして、そんなドタバタした日常の終わりは、本当に唐突に…何の前触れもなく訪れた…。
たった一言のサラバさんの僕を呼ぶ声。
唐突に響いたそれは…聞いてる方が痛烈な気持ちになるほどの沈んだ声で…。

「…………はいっ?」

後ろでは今尚ドタバタ喜劇が繰り広げられてるが、この空間だけそんな日常から切り離される…。その一言の持つ力は…どこかそんな疎外感を感じた。言うなれば【世界】が変わっていた。

「あんたは…大きくなったねぇ~」
「…そりゃぁ僕だって成長位しますよ…コレでも一応成長期ど真ん中なんですからね?」

先程の大口あけて、豪快馬鹿笑いしていたばあちゃんとは何もかもが違う…。辛そうで泣きそうで…どこか、カリム姉さんの執務室で泣き叫んだはやての様な印象を受けた…。きっと今この人は…声を上げずに…心で涙を流しているのではないだろうか?

「…あたしゃね…最初、協会の裏手野原で…全身血まみれのアンタを見つけた時…」
「……。」
「正直…このまま見捨てようと思った…。」

サラバさんが一枚のカードを差し出しながらそう呟いた。
さぁ…どうやらシリアスの始まりの様だ…。サラバさんが差し出した一枚のカード…いま懐に入ってるカリム姉さんから貰った二枚のカード同様のそのカード…。

『ティス専用EXステージミッション:はやてと双璧の会合を実行せよ!(その際、必ずはやてを守りきること、シアの場合、下手すると【真名開放】まで使いそうだからそれの阻止も忘れずにお願いね♪)』

お、おい…随分困難なミッションをさらりと…しかも【♪】まで付けて…あぁ…ホント長い一日になりそうだ…。
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