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フリード列伝 【ツインテール禁止令】

2008年05月27日 22:15

フリード列伝 【ツインテール禁止令】
「はい、そこで…うんっ、よし!これであらかたの説明は終わりっと!」
「あ、有難う御座いました…。」
「うーーん!…ふぅ~…どう、ティアナ?疲れた?」
「…えぇ…はいっ……………あっ、違っ!?」

数時間による座学によってもたらされた疲労のせいであろう。体を伸ばし、執務室中央に設置されているブルーのソファーに倒れ込むシャーリーさんからの軽い質問対し、咄嗟にそう答えてしまった。

「い、いえ!大丈夫です!!」

沈んだ頭を上げ、慌てて発言を撤回する。確かに、大きな疲労を感じてはいるが、なのはさんの訓練後に感じるほどの絶望感…いや、もとい…疲労感は感じない。何より、少ない休憩時間を割いて、私の質問に嫌な顔せずに答えてくれているシャーリーさんに申し訳ないと思ったからだ。

「ふぅ…にしても…凄い量ですね…」
「まぁねぇ~まぁこれも執務官補佐が必ず通る道だからねぇ、昔は、私も先輩もひぃひぃ言ってたんだよ?」

目の前に広がる膨大なデータと、なにやら思案に入ったシャーリーさんの顔。
データの方は、軽く見積もって、仮想ウィンドウ画面が10は開かれている。しかも、これは解説済みのウィンドゥが開きっぱなしになっているのではなく、一つの説明項目に対して、これだけ使用しているという事だ…。

『執務官補佐、候補生における階級と種別』、『執務官試験受講許可書』、『立場と見方』『メカニックを夢見た眼鏡メカ』…etc。

「へえ~、『情報鬼神』とまで呼ばれたシャーリーさんがですか?」
「なっ!?なにその、仰々しい名前!?」
「えっ…し、知らなかったんですか?…えっとですね、私も人づてに聞いた話なんで正確ではないんですけど…真っ暗な研究室の奥地で、膨大な情報を前に突如眼鏡と瞳が金色に輝やかせ、口元を三日月型にした笑みを浮かべ『機器、危機、鬼気…』と呟きながら鬼の如きスピードでキーボードを打ち続ける姿を見て卒倒したオペレーターが付けたとかなんとかって…」
「……………………………」

あっ…なんかシャーリーさんが打ちひしがれてる…不味い事言ったかな?…ていうか、割と、その情報暴走モードを見かけるのだけど、実は本人自覚なかったのか?

「あ、いつっ…。」

突如目に鋭い痛みを感じ、無意識に擦ってしまう。膨大な量のデータに目が、脳が悲鳴を上げているのであろう。ふむ…この私でさえこれなのだ。スバルなんかを連れて来たら、それはそれは面白い光景が見られたであろうに…実に残念だ…。

『ねぇ…ティア?私自爆しようと思うんだ。だってね…そろそろ頭の許容量が限界値を超えてね、私の脳の番人のケルベロス太郎君が『なぁスバル…そろそろ潮時や…自爆は男のロマンやで!!さぁ逝こう!我等が理想郷へ!!』とかいってさ…』

機動六課時代の事務作業でのスバルを思い出し口元が緩む。あの時ですら、仮想ディスプレイの前に倒れ込み、『ぷしゅ~』と漫画みたいな音を立てながら、真っ白い煙を上げていたのだ。こんな膨大の量のデータを目の当たりにしたら…

『ねぇ…ティア?私ね、異世界に旅立とうと思うんだ。だってね…なんか瞳の光が消えたなのはさんが夜な夜な私のベッド脇に立って『夢を…夢を見ていたんです…夢の中の私は…』って囁くんだ。なんだか怖くなって、気付かないふりをして眠るんだけど、そんな日は決まって、私は、緑髪の緑川…げふんげふん!!いやいや、なんか変な制服きたアンチャンと戦ってる夢を見るんだ…。それでね?なんか暴走モード入ったエリオみたいな人が、『HAHAHAHAHA~♪』って叫びながら、凄い笑顔で襲ってきてさ…なんか、なのはさんが八神部隊長に攫われちゃったんだって。だから、これから助けに行ってくるから私お夕飯要らないね…でも…プリンはほしいな…あぁ…なんだか私の心が激しくハードクラッシュ…』

…ぐらいの電波発言は平気でしそうだな…なによ『緑髪の緑川』って?ハードクラッシュって?

「………あっっと!そうだ!一つ忘れてた!!」
「えっ?」

ズーンとどす黒いオーラに包まれながら落ち込みモードに入っていたシャーリーさんが、ガバッっと体を起こし、此方の世界に戻ってきた。相変わらず、変わり身の早いお人だ…。

「一つ、執務官補佐としての心構えと言うか掟ね…。あのね…執務官及び執務官補佐にも関わる鉄の規則なんだけどね…」

人差し指をたてて、説明お姉さんへの帰還を果たすシャーリーさん。それにしてもやけに表情が真面目だ。『鉄の規則』?な、なにやら、物騒な単語が出てきた…。あれか?執務官を補佐する立場にあるものは時として自らの命を捨ててでも補佐する対象を守らなければならないとかいうそういう部類の…

「私達、執務官候補生は勿論、執務官って、基本的にツインテール禁止だから。」
「………………………………………………………………………はっ?」

真顔で言ったい何を仰ってるんでしょう?この世紀末女は…。だが回りを取り巻く雰囲気から察するに彼女は本気らしい…

『ツインテール禁止だから。』

……えっ?ちょっと待って欲しい…。なんだ、その在りえない文面は?やけに頭に残る…これ程の衝撃を受けたのは、我が愛すべき我侭相棒に『スバルタン星人』とあだ名を付けたはいいが、ごたごたの末にマジ泣きされた時以来だ…。

「だから、このクラウディアに乗艦する前にティアナにも…って…あ、あれ?ティアナ?お~いティアナ~?ティ~ア~ナ~?」

いや…待て慌てるな………まさか…………………。

(暗号!?)

そうだ…言葉を額面通りに受け取っているから悪いんだ!
少し考えれば容易に予測できるではないか…シリアス担当のシャーリーさんが、こんな世紀末台詞を無意味に発する訳がないことぐらい!きっとこの言葉の裏には、シャーリーさんからのメッセージが…

(考えろ…考えるのよティアナ。大丈夫…今回の私は『オヤシロ様』とか暴走してないし、どっかのイカレパン屋の娘でもない。私は…『ランスターの弾丸』ティアナ・ランスター!…できる!なのはさんに頭冷やされた(ある意味虐待)後に、ヘタレフラグをへし折った私ならばこんな謎解きくらい…!!)

『ツインテールキンシダカラ。』

Thinking Time ~ Thinking Time ~ Thinking Time ~

『ついんてーるきんしだから。』

Thinking Time ~ Thinking Time ~ Thinking Time ~

『通院・TEL・近視だから』

だ、駄目っ!?『I○サプリ』や『ヘキ○ゴン』で鍛え抜いたこの私の、洞察力推理力をもってしてもこの謎を解く鍵すら見つけられない…。そんな…やはり私は凡人だということか!?『体は子供!頭脳は大人』な少年のようにはなれないのか?ねぇ…教えてよ兄さん…なんで?どうして、ツインテールが禁止なの!?

「ちょっと!ティアナってば……きゃああぁああ!!」

そして、遂に、この時がやってきた。
クラウディア全体を揺るがす衝撃と共に奴等がくるのだ。時空をも超越した、あの馬鹿コンビが…。



振動の余波により未だ安定には程遠い状態のクラウディア館内。

「状況解析報告っ!!急げ!!」
「一種解析終了!特務規定第18条により発言!次元震発生及び、S級魔力を感知しました!」
「震度…駄目です!パルスが流動過ぎて、特定できません!」
「艦長っ!デッドライン突破ぁ!いつ次元断層が起こってもおかしくありません!!」

クラウディア館内の全てのアラームが鳴り響く。突如の異常事態に、数分前までの平静だったブリッジも今では、叫び声飛び交う混乱状態。先程、特殊一級戦闘配備が発令されたが、10分経過した今でさえ、完全にスタッフの配置が終了されていなかった。

「くそっ…いったい何が…」

艦長席に座るクロノが誰にも聞こえないように舌打ちをする。通常時での稼働率を100とするならば、現在で70いや…恐らく60程度だろう。

「解析急げ!なんとしても…」
『リバースオープン!『竜王召還の儀式』発動!』
「「「「「………………はっ?」」」」」

クロノの焦声を遮るように、未だ沈黙を続けるブリッジ中央のメインスクリーンから響く少女の叫び。その叫びはなおも続く!

『魂は砕けない…私のデッキはまだ死んでない!ルーちゃん…私の神を見せてあげる!この『竜王召還の儀式』はライフを半分と生贄を2体捧げる事によって、大地の守護者『ヴォルテール』をフィールドに特殊召還することが出来る!私はフィールドのエリオ君とフリードを生贄にして…!』
『『ええぇええぇえええええ!?』』
『そうはさせない…即効魔法発動…『ブレインコントロール』発動…。このカードはライフを800払う事で、相手のフィールド上のユニットを一体操る事が出来るの。エリオ君は私が頂く…』
『カウンター!速攻魔法発動『魔法除去』発動!』
『…キャロの意地悪』
『なんか僕の扱い酷くない!?』

静まりかえるブリッジの全ての人間の頭に『?』が浮かび、その中で一人、クロノだけが…

「なんだ…またあいつ等か…」

と、安堵の表情を浮かべていた。
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