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グラシア・ブラザーズ・ライフ♪ #3

2008年05月27日 21:43

#3
「じゃあ、一旦寮でシャワー使って着替えてロビーに集まろうか。」
「はい!」

訓練場から宿舎までの道のりをゆっくりと全員で歩く。
出動と言う出動もまだ無く、今日も今日とて訓練、訓練の日々。
日はまだ高い。今は、朝の訓練が終了し、小休憩だ。
とはいえ、既に体はボロボロなのだが…。

(んっ…騙し騙しにも…限度があるか…)

ふと、利き手に握り締めていたアンカーガンに視線を向ける。
確かに現在の自分の体はボロボロと比喩しても差支えないが、この相棒に比べると幾分か程度は軽い。それ程に、アンカーガンは傷つき、人間で表現する所の『疲弊』状態に陥っている。今日の訓練でも、『疲弊』の一端を垣間見た。

(ごめんね…)

毎日、激化する訓練付き合わせ、文字道理ボロボロになっていく相棒へ、ささやかな償い(意識している訳ではないが)に就寝前の手入れを入念に施しているが、最近は余り効果が無いように見受けられる。

(ごめん…だけど…辞める訳にはいかない…)

眼を細めて相棒を見つめる。
申し訳ないと思う…。
悲鳴が聞こえているにも拘らず酷使し続ける酷い主を許して欲しいと願う。だけど、ゴメン…。辞められないんだ…。だって…私は…

(強くならなきゃいけないから…絶対に…だから、あと少し付き合ってよ…相棒…。


そう、心の奥で呟き、アンカーガンを仕舞う。
とにかく今は休憩だ。失われた体力と集中力を取り戻したい。ついでに言うなら、シャワーも浴びたい…。汗を吸収したシャツが肌に張り付き不快なことこの上ないから…。

ぶるぅうぅううん!!

突如捕らえたエンジン音。俯いていた顔を上げ正面を見据えるとそこには、一台のスポーツカー宿舎入り口へゆっくりと横付けしている。黒を基色としてクラシックタイプ。

「ん?あの車って…」

車は、私たちの目の前で停止すると、その形状を通常モードからオープンモードへモデルチェンジをする。
大きく開いた屋根と窓からは、二つの顔が見て取れ、予想通りの人たちが乗車していた。

「フェイトさん!八神部隊長!」

キャロが驚いた様に二人の名を上げる。
それに対し、当の本人達は『ん~』と妙に気の抜けた返事で答えた。

「二人は何処かへお出かけ?」
「うん…ちょっと六番ポートまで…。」
「協会本部でカリムと会談や~」

うん?なにやら今無視できない名前が出てきた。条件反射で聞き返してしまった…。

「えっ?姉さんと…ですか?」
「そっ!そうやティアナ?お姉ちゃんやお兄ちゃんになんか伝言あるか?」
「あっ…いえ…別に大丈夫です!」
「うん?そか?」

あっそ…と別段気をした様子もなく、キョトンとした表情を浮かべる八神部隊長。
八神部隊長は、上官だからとか隊長だからとか、とにかくそういう序列のような物を使って私たちに接したりはしない。
常にフレンドリーに…訓練校時代の教官のほうがまだ偉そうだ…。
恐らく管理局内でみても希少の部類に入る部隊長なのだろう。
私的には、八神部隊長とのやり取りは…姉さんと接しているようで心地よかった…。

まぁ…あの姉さんは時々、暴走列車にも核弾頭にもなりうる危ない人だが…。そこだけが八神部隊長と姉さんの相違点だろう…。

「はい……………あっ…あの!」
「んっ?」

そんな事を思っていたからか…気付くと声を上げていた…。
再びキョトンとした顔で八神部隊長が俯いた私の顔を覗き込んでいる。

「やっぱりあの一つだけ…あの…その…体に気をつけてって……無茶しちゃ駄目だよって…」

それだけが言いたかった。実際本当に心配なのだ。

ティスやシアは、最近まで仕事だからって連絡取れないし、わざわざ多忙なカリム姉さんやロッサ兄さんに連絡を取ることに僅かな躊躇が生まれ、ここ暫く連絡を取っていないのも事実。

凄く心配である…。私観だが、家の兄弟(私を除いてだが)の得意技は、『無理』『無茶』『無謀』の三拍子…。観ているこっちの寿命が縮む。いや、本気で…。

カリム姉さんのコメカミ辺りの血管が浮き出てきたらもう…アウトだ…。
ティスの瞳が爛々に輝きだしたらもう…アウトだ。
ロッサ兄さんが掌で顔を隠し静かに笑い出したら…アウトだ。
シアが口元を手で隠し「オホホホホ…」とか笑い出しながら、『一昨日来やがれ○○野郎が♪』とか毒舌になったらもう…アウトだ

一度だけ…その状態の四人が一堂に介した時があった…あれは…思い出すだけでも苦痛を伴う…。

魔術を使えない人間が宙を舞う(吹き飛ばされる)瞬間を見たことはあるだろうか?
『ブレイクインパルス…ブレイクインパルス…ブレイクインパルス…ブレイクインパルス…ブレイクインパルス!ブレイクインパルス!ブレイクインパルス!ブレイクインパルス…すぅ~~(←息継ぎしてる)…ブレイクインパルス!!ブレイクインパルス!!ブレイクインパルス!!ブレイクインパルス!!ブレイクインパルス!!………………………吹き飛べええぇええぇえぇえぇぇぇぇええ!!!!』
『『うあぁああうあああああぁっああぁぁ!!!』』
『きゃはは~兄様~花火花火~♪打ち落とせ~♪打ち落とせ~♪いくよ~U君!スティンガーブレイドー!!………………………エクスキューションシフト(ぼそっ)………』
『今、ぼそっと…物凄いこと呟かなかったか!?』
『地面にブレイクインパルス連発して、百人以上お空へ吹き飛ばしてる兄様に言われたくないです!』

それなりの地位や名誉、財産を持つ人間がものの数分で全てを失う光景を見たことはあるだろうか?

『名前を!せめて名前だけは返してくれ!!』
『何を今更…貴方が言ったのではありませんか?「やれる物ならやってみろがはははは~」と…ふぅっ…自分でやっておいて難ですが、頭の悪い台詞ですこと…』
『錯乱していたんだ!……頼…』
『姉さん~処理終了~』
『あら?早いわねロッサ…私でも、もう少し掛かるわよ…』
『まっ…こっちはこれが本業だし…陳家な虫けら一匹を社会的に抹殺することなんて朝飯前…』
『ああぁぁぁああぁぁぁぁぁああぁぁっぁぁああぁぁぁぁぁあ………』
『あらっ~ほらロッサ観てご覧なさい~このアホ面~あ~幾分かスッキリしたわ~』
『…姉さんだけは、敵にすまいと心に誓ったよ…』

(いけない…意識が沈んできた…。あんな光景、思い出すから…。)

首を左右に振って、沈んだ意識を取り戻す…。ファイト…私は強い子元気な子…。

「……………ティアナ………」

意識が幾分か回復したと同時にそんな呟きが聞こえた…。顔を上げるとそこには、顔を上げた自分と入れ替わるように俯き小刻みに震える八神部隊長が眼に入った。

(まずい!調子に乗りすぎた!?)

それはそうだ。これではただお使いを頼んでいるのと何ら変わらない。一隊員の私が、恐れ多くも部隊長にだ。流石に温厚な八神部隊長でもこれは面白くないだろう。

「ああぁあ、済みません!ご迷惑ですよね!?だ、大丈夫です!忘れてください!」
「ちょお…こっちきなさい…」
「へっ?あの?」
「いいから…」

ドスの聞いた声を出されては逆らえない…。

「は、はぁ……………えっ…?」

恐る恐る近づくと、在りあえない気配を感じた…。
それはそれは、酷い緊張下に居たのにも変わらず間抜けな声を上げてしまう程にありあえない気配…それは…

(この気配…このなんとも狙われているような…獲物にされている様な…それでいて、無駄に生暖かいこの雰囲気は…)

「あ~もうっ!!可愛ええなぁ!頭撫でたる~ほらおいで~ほらほらほらほらほらほらぁ~」
「ひゃぁああぁあ!!八神部隊長!?や、やめてくださ…う、うわ!?なに後ろに姉さんの幻影なんて背負ってるんですか!?なんか親指立てて、嫌な笑いあげてるんですけど!?あぁああこの人も同族かあぁああ!?」

前言撤回。この人も暴走列車だ…。



疲労を感じてます。そう顔が、語っていた。
そんな少女に、頬を人差し指で掻きながら言葉をかけた。

「まぁ…こっちは仕事だし…別にかまいやしねえが…ちと…頻繁ではあるな…」
「済みません…ご迷惑…かけます…ホントに済みません…毎度此れしか言えませんが…」

肩を落としながら…乾いた笑みを浮かべる。
乾ききった…そう…まさに灼熱の砂漠に放り込まれたかのごとく…。

「で?今度は?」

それだけで伝わったのか、少女は、見慣れたレコーダーを取り出し、そのスイッチを入れた。



『嘘を付くならもっとマシな嘘付いてよ!なんで!?なんでティアナさんのニーソックスなんて抱いてるの!?』
『本当だって!本当にこのロビーで座って待ってたら、フリードが「此れをやるかから我輩の仲間になれ!」って押し付けてきたんだよ!!』

『どうするティアナ…なんか置いてかれてるよね、私たち…』
『うん…私のニーソックスなのに…』

『その時点で、嘘じゃない!フリードはしゃべらないし、『我輩』なんて使う年じゃないもん!』
『諦めろ少年…我輩のこのダンディズムが理解できない、可哀相な主なのだ…』
『フリードは黙ってて!』
『うむっ…』
『矛盾してないか!?今の会話!!』

『歌おうか?』
『…そうね…。』

『こんな物が!こんな物が!!』
『ちょっ、やめてよキャロ!そんな!ニーソックスで叩かないでよ!!』
『ふむっ?我輩の声か?そうだな…『メカ沢』『あなごさん』『ベリーメロン』『天の声』『土永さん』どれでも好きなものをえらべぇい!!』

『待った~あれはどこにある~♪』
『なぁになぁに~なんかまたトラブル~♪』

『フリード!この中に入って!!』
『その中とは?その狭いニーソックスの中か?お~いこのロリっ娘が……錯乱しとる場合かぁ!よく考え…ぬぉおぉぉ…やめ…!!』
『うわっ…押し込めてるよニーソックスに…』

『だって~あれがみつからない♪ど~こ~かへ消えちゃあったよ~』
『はいよはいよはいよ~どーしたいってごら~ん♪』

『よしっ…フリード『固くなる』!』
『むぐぅ!?むぐぐうぅうううぅうう!?ぐむうむむぅうううう…(おぅ!?キャロ!そいつは、ちょっとジャンルが違うぜ!?そんな『君に決めた!』のノリで言われても出来ない物は出来ない…)』
『フリードモーニングスター!!』
『むぐぅ!!(なにぃ!!)』
『私は…貴方が真実を語るまで…叩きつけるのを辞めない!!…このフリードモーニングスターで!エリオ君のぉ…………馬鹿あぁぁぁあ!!』
『ぎゃあぁあぁぁあああああああああ!!』

『『私のニーソックス返してよね~♪』』

『なに?このカオス…レイジングハート…私どうしたら良いのかな…?』
『全員ぶっ飛ばせば静かになると推測します。』



「お前も…苦労してるんだな…」
「ご迷惑をかけます…」

ちなみに此れが今週32回目の「ご迷惑をおかけします」だと、リインに日記を付けられていた事をはやては知らない。
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